ベルレバッハの木製三脚リポートの中に、アストロバージョンというのがあります。
アストロとは、星、宇宙といった意味を持ち、いわゆる天体観測用の木製三脚になります。
通常のリポートとアストロバージョンのリポートの違いを解説していきます。

ベルレバッハ 木製三脚 の特徴
天体観測用の三脚の説明の前に、少しおさらいしておきます。
Berlebach ベルレバッハの木製三脚シリーズは、大きく分けて3つあり、小型~通常サイズである、リポートシリーズ、というものと、大型サイズである、UNIシリーズ、さらに大きく、天体観測用に特化した三脚シリーズ、があります。
リポートシリーズ
小型~通常サイズであるリポートシリーズは、縮長50cm程度から、伸長210cm程度までのサイズをカバーしていて、耐荷重5kg~18kgまで。
いわゆる通常サイズの三脚シリーズになります。
UNIシリーズ
対して、UNIシリーズは、大型サイズの三脚シリーズ。
縮長 63cm程度から、伸長 212cmまでであまり変わりないのですが、耐荷重は 15kg~60kg
造りがかなりがっしりしていますので、大きい機材を載せる三脚をお探しの方向け。
耐荷重は、余裕をみておいたほうがよいので、三脚に載せる機材重量が8kgを超えるようでしたら、UNIシリーズを検討されてください。
これよりも大きいサイズの天体観測向け三脚シリーズは、かなりの重さになります。
詳しい説明は別の機会にさせてください。
リポートシリーズのモジュール
そのほか、リポート三脚の特徴としては、モジュールと呼ばれる、機材を設置する部材(ヘッドにあたる部分)を選ぶことができ、合計10種類のモジュールを選択&取り換えられる木製三脚シリーズです。
脚の長さとモジュールの種類を組み合わせることにより、用途にあった三脚を手にすることができます。
モジュールには互換性があるので、別のモジュールを用意すれば、違う種類の三脚に変えるることができます。
しかも、作業は簡単ですので、必要に応じてご自身で取り換えることができます。
これらを踏まえたうえで、リポートシリーズの天体観測三脚の説明に進めていきます。
天体観測用の木製三脚
木製三脚の一番の特性は、振動吸収性が高い点にあります。
なんらかの力が加わったときの、そのエネルギーを吸収・減衰させる能力が高い、というものです。
この振動吸収性の高さは、機材の揺れを抑えることにつながりますので、超望遠での撮影や天体観測などの場面で力を発揮することになります。
よりしっかりと観測をしたい場合に、木製三脚という選択肢が出てくるわけです。
ベルレバッハの天体観測用木製三脚
Berlebach ベルレバッハ 木製三脚には、天体観測を目的としているアストロバージョンが、以下の表に示している5種類(5シリーズ)展開されています。

表の下に行くほど、よりがっしりしている三脚です。
耐荷重のところを見るとよくわかるかと思います。
サイズ | 自重 | 耐荷重 | マウントの種類 | |
リポート三脚 アストロ | 54~164cm | 3.2~4.5kg | 15.0~25.0kg | 1/4、3/8、GP、EM11など |
UNI三脚 アストロ | 60~163cm | 6.0~9.0kg | 50.0~60.0kg | AP 400/600、AZ-EQ 5など |
Planetシリーズ | 70~136cm | 9.5~11.0kg | 100.0~120.0kg | EQ6、EM400など |
SKY(ウッド・カーボン) | 88~138cm | 9.0kg | 140.0kg | CGEM、DM6など |
GRAVITON | 86~135cm | 22.5kg | 220.0kg | ASA DDM85など |
各シリーズのサイズはあまり変わらない感じなのですが、自重と耐荷重のところが大きく違います。(SKYは、木とカーボンのハイブリッドなので軽い造りになっています)
実際持ってみると感じますが、UNIシリーズでもかなり重く感じます。
外に持ち出そうと思うと、”よしっ!”と気合を入れないといけない感覚ですかね。
リポート天体観測用三脚の良さ
今回取り上げている、リポートシリーズの良さは、機動性の高さと耐荷重のバランス。
木製三脚の振動吸収性の高さとリポートシリーズの手軽さを組み合わせた、初めて手にするのに最適な天体観測用の木製三脚シリーズになります。

フォト用と天体観測用(アストロバージョン)の最大の違いは、より安定性を高めている点です。
フォト用リポートシリーズには、ストップポジションシステムという開脚システムが組み込まれていますが、アストロバージョンには付いていません。
ストップポジションシステムとは、脚が 20° 40° 60° 80° 100° の角度で自動的に止まる機能のこと。


そのかわりに、アストロバージョンには脚の広がりを止める、スプレッドストッパーが付いています。

ストップポジションシステムの特徴は、気軽に開脚角度を変えられ、一定の角度でキッチリ止められるところ。
ですが、気軽に脚を動かせるということは、動きやすいという意味にもつながります。
天体観測では、頻繁に開脚角度変更などは必要なく、しっかりと安定していることが求められます。
アストロバージョンについているスプレッドストッパーは、しっかりとした造りのミッドスプレッダーであり、三脚をより安定的に支える役割を果たしています。
スプレッドストッパーは、脚の広がりを止め、三脚の剛性を高めるだけでなく、小物などを置くスペースになる、デポジットトレイ(アクセサリートレイ)の土台としての役割もあわせ持ちます。

リポート天体観測用三脚のモジュール
安定性の必要な天体観測用のモジュールは、1番か7番のどちらかになります。


フォト用リポート三脚との違いのあるアストロバージョン三脚ですが、リポート木製三脚のもうひとつの特徴であるモジュールの交換については問題ありません。
各種モジュールに変更することが可能です。
スプレッドステッパーとモジュールが干渉しないようにするよう注意が必要です。
1番は、通常ネジ(1/4ネジ、3/8ネジなどの付いたフラットプレート)タイプ
1番モジュール | 脚長(縮長) | 高さ | 耐荷重 | マウントの種類 |
リポート 112 アストロ | 58.0 cm | 54~89cm | 25.0 kg | 1/4 or 3/8ネジ |
リポート 212 アストロ | 72.0 cm | 68~115cm | 20.0 kg | 1/4 or 3/8ネジ |
リポート 312 アストロ | 85.0 cm | 80~139cm | 18.0 kg | 1/4 or 3/8ネジ |
リポート 412 アストロ | 98.0 cm | 91~163cm | 15.0 kg | 1/4 or 3/8ネジ |
7番は、各種機材に対応したマウントタイプ(全13種類)
7番モジュール | 脚長(縮長) | 高さ | 耐荷重 | マウントの種類 |
リポート 172 アストロ | 60.0 cm | 56~90cm | 25.0 kg | Vixen GP、DM4、タカハシEM11など |
リポート 272 アストロ | 74.0 cm | 70~116cm | 20.0 kg | Vixen GP、DM4、タカハシEM11など |
リポート 372 アストロ | 87.0 cm | 82~141cm | 18.0 kg | Vixen GP、DM4、タカハシEM11など |
リポート 472 アストロ | 100.0 cm | 93~164cm | 15.0 kg | Vixen GP、DM4、タカハシEM11など |
7番モジュールには、13種類のマウントが用意されています。
Vixen Advanced Polaris、Vixen GP、Vixen Porta、Celestron AVX、Celestron Ultima 8、タカハシ EM11、DM-4、EQ4、iOptron GEM28/CEM26、iOptron SmartEq Pro など。
ご自身の機材にあわせたマウントをお選びください。
ご参考にされてください。
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