1. はじめに:三脚における「クランプ強化」とは?
三脚選びでつい見落としがちなのが、「クランプ」と呼ばれる脚の固定部分。
クランプは、三脚の脚を好きな高さでしっかり止めてくれる大事なパーツです。

多くの三脚では、脚1本につき1か所だけを締める「シングルクランプ」が一般的。
これでも十分安定しますが、重い機材を使ったり、風のある屋外で長時間使ったりすると、
わずかな“たわみ”や“揺れ”が気になってくることも。
そんなときに頼れるのが、ベルレバッハ三脚の“クランプ追加”オプション。
実はあとからもう1つクランプを取り付けて、ダブルクランプにできるんです。
脚1本を2か所でがっちり固定することで、安定感がぐんとアップ。
まるでスニーカーの紐を最後の穴までしっかり結んだときの、あの安心感。
「ここぞ」という場面で支えてくれる、頼れるカスタムなんです。
クランプ構造の基本:シングルとダブルの違い
三脚の「クランプ」とは、脚の長さを固定するための留め具のこと。
ベルレバッハ三脚では、このクランプの数を「シングル(1か所)」か「ダブル(2か所)」で選ぶことができます。

まず、通常の構成はシングルクランプ。
各脚の伸縮部分を1か所で固定するタイプで、軽量かつ取り回しがしやすいのが魅力です。多くのユーザーにとってはこれで十分。
しかし、さらに安定性を高めたい場面では、ダブルクランプが登場します。
脚1本に2か所のクランプを取り付けることで、よりしっかりと脚をホールド。たわみやねじれに強くなり、重機材を使う際や、風が強い環境でも安心感が格段にアップします。
👇 比較写真(シングル vs ダブル)をご覧いただくと、その違いは一目瞭然。

なお、ダブルクランプはオプションパーツとして別売りで提供されており、1台分は3点セット。
後からでも取り付け可能なので、「もう少し強化したいな」と思ったときに気軽にアップグレードできるのも嬉しいポイントです。
3. ダブルクランプのメリットとは?

では、ベルレバッハ三脚に「ダブルクランプ」を装着することで、どんなメリットがあるのでしょうか?
✅ 脚の固定力がグッと向上
まず一番の違いは、脚の固定力。
シングルクランプでは1点留めだったのが、ダブルでは2点でしっかり支える構造になります。これにより、脚のねじれやたわみを物理的に抑えることが可能に。特に、三脚をフルに伸ばした状態で違いがはっきり感じられます。
🔭 高倍率機材でもブレにくい
ダブルクランプの恩恵が最も感じられるのが、高倍率の観測や長時間露光の撮影です。
わずかな振動でも画面が揺れてしまうようなシーンで、脚の安定感があるだけで快適さがまるで違います。大口径の双眼鏡や重い赤道儀を載せる方には、特におすすめ。
🪵 しっかりした見た目と安心感
外から見ても、ダブルクランプ仕様は見た目がどっしりしており、プロ仕様の印象。実際の使用感も、「しっかり止まっている」という手応えが強く、心理的にも安心して観察や撮影に集中できます。
⚙️ なぜ揺れに強いのか?
これは構造上の理由もあります。
脚の延長パーツを1点で留めるよりも、2点で分散して固定することで“物理的なたわみ”が減少。パイプの軸ブレが抑えられ、振動の伝わり方もマイルドになります。
4. ダブルクランプのデメリット(注意点)

もちろん、メリットだけではありません。
ダブルクランプにはいくつか注意すべきポイントもあります。
📏 延長長が約10cm短くなる
まず見逃せないのが、脚の伸ばせる長さが約10cm短くなること。
これはベルレバッハの公式にも明記されており、ダブル構造にすることでクランプ部が増える分、全体の可動域が少しだけ制限されます。使用時の最大高を気にされる方は、チェックしておきましょう。
⚖️ 重量が少し増える
また、重量が少し増えるのも事実です。
- UNIシリーズ用:+約0.5kg(3点セット)
- リポートシリーズ用:+約0.17kg(3点セット)
現場での持ち運びが多い方には、この違いが地味に効いてくることもあります。
🚶♂️ 頻繁な移動・登山などには不向きかも
頑丈さの裏返しとして、軽快さは少し犠牲になります。
「とにかく軽く、サッと動ける機動性が大事」という方には、ややオーバースペックに感じるかもしれません。特に登山・長距離歩行を伴うフィールドワークでは要検討です。
5. どんなユーザーにおすすめ?
ダブルクランプは、誰にとっても必要な装備ではありません。
でも、以下のようなシーンやスタイルで三脚を使う方には、間違いなく“頼れる相棒”になってくれます。
🔭 重機材ユーザー・高倍率双眼鏡を愛用している方
Docter AspectemやKOWA Highlanderのような大型双眼鏡、
あるいは中~大型の天体望遠鏡など、重量級機材を安定させたい方には最適。
微細な振動もピタリと止めてくれるダブルクランプは、観測時のストレスをぐっと減らしてくれます。
📷 長時間露光やシビアなピント合わせが必要な方
天体写真や高精細な自然観察など、わずかなブレも許されない撮影をされる方にとって、
クランプ強化は“最後の一手”。時間をかけてセットした構図がずれない、安心の構造です。
対応三脚モデル | 商品名 | 重量 | 備考 |
---|---|---|---|
UNIシリーズ | Additional Clamps UNI | 約0.5kg | 高剛性モデル向け |
リポートシリーズ | Additional Clamps REPORT | 約0.17kg | 軽量モデル向け/携帯性重視 |
🪵 一生モノの三脚として長く使いたい方
Berlebach三脚を「最後の三脚」として選ばれる方は少なくありません。
そんな方には、最初からダブルクランプ仕様にしておくのも一手。
頑丈で壊れにくく、交換用パーツも豊富なBerlebachならではの「育てる三脚」として、末永く付き合っていける装備になります。
6. まとめ:クランプ追加で広がる安定の世界

三脚は「載せる機材に合わせて選ぶもの」…と思いきや、あとから自分好みに育てていけるのがベルレバッハの面白いところ。
とくにこのダブルクランプは、観察や撮影のシーンで「もうちょっと安定感が欲しい」と感じたときに、ピンポイントで強化できる頼もしいオプションです。
たしかに、脚の伸びが少し短くなったり、重量が増えるといったトレードオフもありますが、
それを上回るガッチリとした安心感と、揺れない撮影体験は、一度味わうと手放せません。
「三脚は買い替えるものじゃなく、長く使い込んでいく道具」——
そう考える方には、このカスタムパーツ、きっと響くはずです。
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