今回は、人気のある2つのマイクブームについて比較していきます。
ひとつは、Cavision キャビジョン SGP525F ミックスファイバーブームポール 固定トップ(5段階/65~250cm)
もう一つは、VDB バンデンベルグ マイクロフォンブームポール M-QT 60cm – 266cm ミディアム バンデンバー
価格的には3倍ほど違うマイクブームですが、その違いを分かりやすく説明し、それぞれの特徴や特性を見ていきたいと思います。
両者個別にはこちらの記事も参考にされてください。
今回の記事でわかること
Cavision キャビジョン SGP525FとVDB バンデンベルグ M-QTの特徴と違い
両製品ともに、最大伸長が約2.5m程度の、通常のロケなどでは使いやすいサイズ。
2.5mあれば、街ロケ撮影などおおかたの現場に対応できますので、汎用性の高いサイズですね。
どんなところに違いがあるのか、早速みていきましょう。
目次
スペック
まずは個別のスペックです。
Cavision キャビジョン SGP525F
・素材 :ミックスファイバー
・段階 :5
・最小長 :65cm
・最大長 :250cm
・重量 :550 g
・価格 約2万5千円
VDB バンデンベルグ M-QT
・素材 :カーボン
・段階 :6
・最小長 :60cm
・最大長 :266cm
・重量 :420 g
・価格 約8万円
素材
まずは素材からいきましょう。
SGP525Fはミックスファイバーとなっています。
ミックスファイバーは特に記載がありませんが、見た感じ、触った感じではアルミ製のブームに近いです。
特に光沢などはありませんが、少し硬い印象です。
M-QTはカーボン製マイクブームです。
一番外側のポールの表面は少し光沢がありますが、収納されているポールはそこまでのツヤはありません。
伸縮はスムーズです。
段数と収納時の長さ
次に段数と収納時の長さを見ていきます。
SGP525Fが5段で、カタログ記載値 全長65cm。
M-QTは6段で、カタログ記載値 全長60cmになります。
ここでも同じ条件にして実測いたしました。
実測は、トップのネジ頭からボトムエンドまで。
SGP525Fは、ボトムエンドのラバースリーブまで含めています。
実測値では、SGP525Fが全長69cm、M-QTが全長60cm と、約9cmの違いになりました。
SGP525Fのラバースリーブを外した場合でも、67cmくらいです。
段数の多い方がコンパクトに収納できるため持ち運びには便利です。
最大長(すべてのポールを伸ばした時の長さ)は、SGP525F 250cm に対し、M-QT 266cm と、こちらもM-QTのほうが優位ですね。
重さと全体的な印象
次に、重さですが、SGP525F 550g に対し、M-QT 420g。
これはかなり差があります。
このカタログ値は、メーカーによって、測り方に差があるかもしれませんので、実際に測ってみました。
カタログ値では約130gほどの違いがありましたが、ほぼ同じ条件で計測したところ、SGP525F 538.1g に対し、M-QT 467.4g で 約75gの差。
カタログ上では、単一アルカリ電池1本(約130g)の差 → 実際は、単二アルカリ電池1本(約70g)の差に縮まった感じです。
カタログ数値よりその差が大幅に縮まったため、“さほど持った感じは変わらないんじゃないかな。”と思いながら実際に2本同時に持ってみたんですが、この約75gの差は、数字以上に重く感じましたね。
言葉にすると難しいんですが、やっぱり重く感じるし、心地よさが違う、といった感じでしょうか。
一般的な撮影現場などでは、ほとんど影響がないのかもしれません。
ただ、これがプロの現場となれば、とっさに瞬間的な動きを求めらることがあるかもしれませんし、長時間ガンマイクを差し出す必要が出てくることも予想されます。
そういった中で、最善の仕事を追求するためには、素早く動ける状態にしておくことは大きな意味を持つと思います。
これらも踏まえながら、想定される使用状況・場面や精度の求められ方などを考慮されると、よりよい選択ができるのではないでしょうか?
また、そのほかの印象(主観)では、柔らかさが違うように感じます。
SGP525Fはかたくてがっちりした印象。
重さにも表れているしっかりした造りは、まっすぐ伸びる、という感じがします。
一方、M-QTは、柔らかくてスマートな印象。
軽さからくるしなやかな印象がありますが、実際には剛性の高いカーボン素材で作られているため、強度は問題なし。
クォーターターンロックのおかげで、素早く伸縮させることができるのはGoodです。
ロックの違い
次にロックの違いについて。
SGP525Fは、従来からある、ネジ式のロック機構が採用されています。
先端のほうからみて、左に回すと緩み、右に回すと締まります。
伸縮させたい時は、ロックを緩ませ、ポールを伸ばし、ロックを締める動作が必要です。
慣れている方には全く問題ない動作手順です。
いっぽう、M-QTでは、クォーターターンロックというものが採用されており、1/4回転しただけで緩ませたり締めたりすることができます。
というより、各ロック部分ネジが、1/4回転しか回らないようにできています。
なので、締める・緩める動作が素早くできるため、とっさの対応もしやすいことにつながります。
ケーブルの内部配線
最後に、ケーブルの内部配線については、△SGP525F 〇M-QT です。
SGP525Fは内部配線はおすすめできません。
ケーブルを通すための穴は開いていますので、物理的な意味で、内部にケーブルを通すことは可能です。
ただ、専用のコネクターなどはないので、ご自身で加工が必要になります。
M-QTは別売のキットがあれば対応できます。
M-QTは、専用のケーブルキット付のものを購入していただくことで対応可能です。
装着方法も簡単で、ボトム部分を外して中に通すだけになります。
詳しくはお問い合わせいただけたらと思います。
まとめ
今回は、マイクブームの中でも人気の高い、Cavision SGP525F と VDB M-QT の両者を比較してみました。
長さはほぼ同じでも、価格が約3倍違いますので、比較すべきポイントをまとめています。
最低限の機能を備え、コストパフォーマンスの良さを考えると、Cavision SGP525F
質の高い仕事を追求するために、より軽く、使い勝手のよさを重視したマイクブーム選びをするならば、VDB M-QT
選ぶポイントを見極めて、よりよい選択につなげていただけたら、私どももうれしく思います。
なにかご不明点、ご質問などがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
よろしくお願い致します。
いつもありがとうございます。
カメラ機材専門ショップ
ズームフィックス
コメント