機材を持ち運ぶハードケースといえば、真っ先に名前が挙がるのがペリカンケース。
その中でも、機内持ち込みサイズで知られる「1510」は根強い人気を誇る定番モデルです。
…でも、ちょっと待ってください。
「あともう少しだけ容量がほしい」
「望遠レンズを縦に入れられたらなあ…」
そんな“あと一歩”のニーズに応えてくれるのが、今回ご紹介するペリカンケース1560です。

実はこの1560は、奥行きと高さは1510と同じですが、横幅が大きく異なります。
内部容量も約1.5倍となっており、収納力には明確な差があります。
この記事では、ペリカン1560の仕様や特徴を徹底解説しながら、人気モデル1510との比較も交えて、その魅力と使いどころを詳しくご紹介します。
ペリカンケース選びで迷っている方や、買い替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
ペリカンケースとは?|信頼され続ける理由
◆ 過酷な環境にも耐える堅牢設計
ペリカンケースは、衝撃・水・埃といった外的ダメージに強く、極寒の地から灼熱の砂漠まで、世界中の過酷な現場で使われてきた信頼のブランドです。米軍やレスキュー隊でも使用されるほどの耐久性を誇ります。
◆ パージバルブとOリングの役割
ペリカンケースの防水・防塵性能のカギを握るのが、パージバルブとOリング。パージバルブは気圧差を自動で調整し、ケースの開閉をスムーズに。Oリングはシリコン製の密閉パッキンで、水や埃の侵入をシャットアウトしてくれます。
◆ なぜカメラ・機材ユーザーに選ばれるのか
精密機材を守るプロの現場では、保護性能の高さが何よりも重視されます。ペリカンケースは、持ち運びや収納時の安心感が段違い。撮影機材、ドローン、音響機器など、様々なユーザーに長年愛され続けている理由がそこにあります。
ペリカンケース1560のスペック詳細

◆ 基本サイズと重量(内寸・外寸)

ペリカン1560は、収納力と可搬性のバランスに優れたローラー付きハードケースです。
内部寸法は50.6×38×22.9cm、外寸は56.1×45.5×26.5cm。
収納深さは、フタ部分が5.1cm、本体が17.8cmで、合計22.9cmの有効スペースがあります。
重量はフォーム付きで約9.1kg、空の状態で約7.7kg。このサイズ感としてはしっかりした重さですが、キャスター付きのため持ち運びは快適です。
なお、浮力は約52.2kgと高く、水場での使用や万が一の落水時にも沈みにくい仕様となっています。
◆ 耐久性能・使用素材の特徴
ペリカン1560の魅力は、なんといってもその屈強な構造と素材選定にあります。
ボディには高耐久性ポリプロピレン樹脂、ラッチ(留め具)にはABS樹脂、金属部にはステンレススチールを使用。さらに、内部のフォームは軽量なポリウレタン製で、収納物の形に合わせてカスタマイズが可能です。
また、パージバルブ(自動圧調整弁)は、3ミクロンの疎水性不織布を採用。気圧差を調整しながらも水や湿気の侵入を防ぐ、高精度な仕組みです。
そして、ペリカン製品の代名詞とも言えるのが、防水・防塵・耐衝撃性能。国際規格「IP67認証」および英国国防規格「Def Stan 81-41」に適合しており、あらゆる現場での使用を前提としたプロ仕様です。
◆ 移動に便利なキャスターとハンドル
ハードケースでありながら、1560は移動のしやすさにも配慮されています。
頑丈なポリウレタン製のホイールにはステンレス製ベアリングを内蔵し、スムーズで静かな走行を実現。空港やイベント会場などの長距離移動でもストレスがありません。
また、格納式のトロリーハンドルを搭載しているため、キャリーケースのように転がして運ぶことができます。加えて、上部と側面にはラバーグリップ付きのハンドルも備えられており、車への積み下ろしや狭い場所での持ち運びも安心です。
「頑丈なのに使いやすい」。これが、ペリカン1560が多くのプロに支持される理由のひとつです。
ペリカン1510と1560を徹底比較

ペリカンケースの中でも人気を二分する「1510」と「1560」。
どちらもローラー付きで、機材の運搬に適したプロ仕様のハードケースですが、用途やシチュエーションによって選び方が変わってきます。
ここでは両者を徹底的に比較し、それぞれに合った使い方を見ていきましょう。
◆ サイズ・重量・収納力の違い


| 比較項目 | ペリカン1510 | ペリカン1560 |
|---|---|---|
| 内寸 | 50.2 × 27.9 × 19.3 cm | 50.6 × 38 × 22.9 cm |
| 外寸 | 55.9 × 35.1 × 22.9 cm | 56.1 × 45.5 × 26.5 cm |
| フタの深さ | 4.5 cm | 5.1 cm |
| 本体の深さ | 14.7 cm | 17.8 cm |
| 総深さ | 19.3 cm | 22.9 cm |
| 重量(フォーム付) | 約6.2 kg | 約9.1 kg |
| 重量(ケースのみ) | 約5.4 kg | 約7.7 kg |
| 浮力 | 約29.1 kg | 約52.2 kg |
見ての通り、内寸の奥行(幅)と深さの違いが大きく、1560の方が一回り大きくなっています。
収納容量にして約1.55 ft³(1560)に対して約1.31 ft³(1510)と、1560の方が約20%多く収納可能です。
一方で、重量は1560の方が約2〜3kg重く、移動時の負担や航空機での取り扱いに影響します。
サイズと収納力を天秤にかけた選択が重要です。
◆ 機内持ち込み可否と注意点

1510の大きな特徴は、機内持ち込みが可能なサイズである点です(100席以上の航空機に限る)。
多くの国際線・国内線ジェット機(例:Boeing 737, 787, Airbus A320など)では、1510はキャビンに持ち込める最大クラスのハードケースとして愛用されています。
一方の1560は、外寸が45.5cm × 26.5cmとオーバーサイズのため、原則として受託手荷物扱いになります。
特にLCCや離島便、プロペラ機などでは注意が必要です。遠征や海外撮影など、飛行機利用を前提とする場合は1510が無難でしょう。
◆ 実例:望遠レンズや機材の収納可否

では、実際の機材収納にどれほどの差が出るのか?
具体例として、Canon EF 70-200mm F4L IS USM(長さ約20cm)を見てみましょう。
- 1510の場合: 高さ(深さ)が19.3cmのため、立てて収納するのはギリギリ難しい。
- 1560の場合: 深さ22.9cmあるので、縦向きに収納可能。レンズフード付きでも余裕あり。
つまり、機材を縦向きに収納できるかどうかで、内部レイアウトの自由度が変わります。
また、レンズやカメラボディ、アクセサリなどをまとめてひとつのケースで管理したい方にとっては、1560のゆとりが大きな魅力になります。
結論としては:
- 機内持ち込み+軽量性を重視するなら「1510」
- 収納力・安心感・据え置き使用なら「1560」
という選び方が理想です。
目的や移動手段に合わせて、あなたに最適なモデルを選んでみてください。
ペリカン1560のバリエーションとカスタマイズ
ペリカン1560は、ただの“堅牢ケース”ではありません。ユーザーの使い方に応じてカスタマイズ性が非常に高いのが特徴です。収納アイテムや移動スタイルに合わせて選べる複数のモデルや、後から追加できる純正アクセサリーも豊富に用意されています。
フォーム付き/仕切り付き/ノーフォームなどの選択肢
ペリカン1560には、以下のようなバリエーションが存在します:
| モデルタイプ | 画像 | 内容物 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フォーム付き(With Foam) | ![]() | Pick N Pluck™ フォーム2層+蓋ウレタン | スポンジを切って自由に収納形状を作れる。機材の形が決まっている場合に最適 |
| 仕切り付き(Padded Dividers) | ![]() | ナイロン製のパッド入り仕切りセット | 撮影現場などで柔軟に機材配置を変えたい人向け。クッション性も高い |
| TrekPak™ 仕切り付き | ![]() | プラパネル+ピンで固定する自由配置システム | 精密機材を美しく収納したい人向け。細かく区切れるが初期セッティングはやや手間 |
| ノーフォーム(Empty) | ![]() | 中身なし(ケースのみ) | 自作の収納内装を作りたい人や、既存のインナーボックスと組み合わせたい人向け |
それぞれ一長一短がありますが、柔軟性重視なら仕切り付き/保護性能重視ならフォーム付きを選ぶのが一般的です。
ラップトップ収納モデルやモビリティ仕様
ペリカン1560には、上部にラップトップ収納スペースを備えたモデル(1560 Laptop Overnight Case)も存在します。機内持ち込みは不可ですが、機材+ノートPC+着替え一式まで収納できるため、短期出張用のギアバッグとしても活躍します。

また、強化ポリウレタン製のキャスター(ステンレスベアリング内蔵)と伸縮式ハンドルは全モデル共通。モビリティ性能に優れ、ロケや長距離移動でも負担を軽減してくれます。
後付け可能なアクセサリーの紹介
ペリカン1560は、純正アクセサリーでさらに使い勝手を向上させることが可能です。
- 蓋裏オーガナイザー(Lid Organizer)
メモ帳・ケーブル・工具などの小物を蓋裏にまとめて収納。ポケット多数で現場向き。 - ネームプレート刻印(Nameplate)
カスタマイズ可能なアルミ製プレートを装着可能。紛失防止や識別に便利です。 - パネルフレームキット(Panel Frame Kit)
ケース前面にパネルを固定し、内部機材を操作可能にするDIY派に人気のオプション。通信・音響分野で活躍。 - TSAロック対応パドロック
国際移動が多い方は、TSA認可の南京錠でセキュリティ対策も万全に。
このように、ペリカン1560は単なるハードケースではなく、「移動できる作業環境」として育てていけるケースとも言えるでしょう。
ユーザー目線で見る1560の「ここが便利」「ここが惜しい」
どんなに優れたハードケースでも、使う人の立場で見れば「ここが最高」「ここはもうちょっと…」というポイントがあるもの。ここでは、実際にペリカン1560を使っているユーザーの声をもとに、リアルな使用感や収納例、惜しいと感じた点までご紹介します。
実際の使用感|重さやサイズ感は?
ペリカン1560は、非常に頑丈で収納力も高く、アウトドアや長期出張にも安心して使えるケースですが、「軽い」とは言い難いサイズ感です。空の状態でも約6.4kg(フォーム付き)とそれなりに重く、機材を満載すれば10kg以上になることも珍しくありません。

- 利点:機材をフル収納しても安心して座れる強度、ゴロゴロ転がしても耐えられるキャスター
- 惜しい点:
- キャリーハンドルの操作に両手が必要でやや不便
- 底面が完全にフラットでないため、フォームが浮いてくるケースがある
- キャスター部分の剛性がやや不安(激しいオフロード移動には不向き)
空港などの滑らかな床では快適ですが、砂利道や野外キャンプ地ではキャスターの摩耗や不安定さを感じるとの声もあります。
おすすめの収納アイテム例
ペリカン1560は「これ1台で全部まとめたい」というニーズに応える設計。実際には以下のような収納例がよく見られます。
一例:写真家Aさん(プロ仕様)
- ミラーレス一眼 ×2台
- レンズ ×6本(望遠150-400mm含む)
- ストロボ+アクセサリ一式
- バッテリー、ケーブル、クリーニングキット(蓋裏オーガナイザー使用)
一例:当店のお客様(DIY収納カスタム)

- TrekPak仕切りを使ってエリアごとに機材を整理
- フォームを部分的に補強材として併用
- フタの裏にフィルター、メモ帳、マルチツール類を格納
- 側面に面ファスナー式のメッシュポケットを追加(ライトや反射板用)
TrekPak使用者の満足度は高いですが、「パネルやピンが足りない」という声も多く、追加注文が推奨されます。
ユーザーの声・当店での相談事例など
実際に寄せられた声をいくつかピックアップしてみましょう。
- 「カメラ機材がすべて収まって感動。ただし、飛行機に持ち込むのは厳しいかも。車移動メインの人におすすめ」
- 「底面の形状のせいでフォームが浮き上がってしまう箇所があった。最初は違和感あり」
- 「カラーをオレンジにしたら、現場での視認性が抜群!盗難防止にも効果あり」
- 「ラップトップモデルを選んで“出張セット”にして正解。衣類も入れられて便利だった」
- 「蓋のヒンジ部分が固くて開閉に苦労した。DIYで削って調整したら快適に」
また、当店では以下のような相談も多く寄せられています:
- Q:1510と1560で迷っているが、望遠レンズを収納したい場合どちらがよい?
→ A:レンズを縦置きするなら1560が安心です。1510は高さ(深さ)が足りない場合が多いです。収納予定機材のサイズを事前確認をしておいてください。 - Q:キャンプや車中泊を想定しているが、湿気や雨にも強い?
→ A:IP67等級の防水性能とOリング密閉構造で安心。キャンプ利用者からのリピートも多数。
まとめ|ペリカン1560はこんな人におすすめ!
ペリカン1560は、その大容量と堅牢性から多くのプロ・セミプロユーザーに選ばれているモデルです。一方で、サイズや重量に注意が必要な側面もあるため、自分の用途に合っているかを見極めることが大切です。ここでは「こんな人におすすめ」という視点で、要点をまとめます。
用途・予算・持ち運び頻度から見た最適選択
| 条件 | 向いているケースの選択 |
|---|---|
| 大量の機材を一括収納したい | ✅ ペリカン1560がおすすめ |
| カメラ2台+レンズ5~6本+周辺アクセサリ | ✅ ペリカン1560なら十分に収まる |
| 車での移動が多い/空港チェックインでもOK | ✅ ペリカン1560(大型でもキャスター付き) |
| 頻繁に飛行機の機内持ち込みをしたい | ❌ ペリカン1510の方が適している |
| できるだけ軽くしたい/女性ユーザー | ❌ ペリカン1510 or 1535が扱いやすい |
また、TrekPakや蓋裏オーガナイザーを活用することで、収納の効率性がさらに高まり、キャンプや撮影遠征時の荷物整理にも好評です。
1510→1560への買い替えを検討中の方へ

すでにペリカン1510をお使いで、「機材が増えてきた」「一台でまとめたい」と感じている方には、1560へのステップアップを強くおすすめします。以下の点が判断材料になります:
- 収納力の差:1510では収まりきらなかった望遠レンズや周辺機器が収納可能に
- 安心感の違い:車載や倉庫での保管も想定した頑丈さ
- 運用スタイルの拡張性:ラップトップ収納モデル、モビリティ仕様などの派生モデルが豊富
ただし、頻繁に階段移動がある方や、電車移動が多い方にはやや不向きです。そういった場合は「サブに1510、メインに1560」という使い分けも一案です。
ペリカン1560は「すべてを1台にまとめたい」「プロ仕様でも長く使えるものを」という方にこそふさわしいケースです。ご自身の使い方と照らし合わせて、最適な選択をしていただければと思います。
どのモデルが自分に合うか迷ったら、お気軽にご相談を!
ペリカンケースは一生モノとも言われるほど耐久性に優れていますが、そのぶん「失敗したくない」「どのサイズがベストか分からない」という声も多く聞かれます。
当店では、ペリカン1510・1560をはじめ、各モデルの収納実例や使用感の違いを把握したうえでご案内可能です。
撮影機材・ドローン・音響機器など、使用用途に応じた最適なモデル選びのお手伝いをしています。
ご希望のスタイルに合わせて、以下のページもぜひチェックしてみてください:
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👉 ペリカンケース1610と1560の比較記事
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