カメラや電子機器、精密機器を持ち運ぶ際に、最も重要なのは安全性です。
特に過酷な環境下での移動が必要な場合、機材の保護は欠かせません。
そこで登場するのがPelican(ペリカン)ケースです。
今回の記事では、その中でもPelican 1400について詳しく解説します。
さらに、Pelican 1400用のアクセサリーや、同様のハードケースとの比較、ユーザーレビューも交え、どのような状況で役立つのかを考察します。
Pelicanケースとは?
Pelicanケースは、アメリカのPelican Products社が製造するハードシェルケースのシリーズです。
これらのケースは、極めて頑丈で防水・防塵性能を持ち、衝撃や振動から機材を守るために設計されています。
特に、軍用や救急サービス、プロフェッショナルな映像・写真撮影者などに愛用されており、過酷な環境下での使用に最適です。
ペリカンケース 1400の基本仕様と特徴
Pelican 1400 は、コンパクトながらも高い防護性能を備えている、プロテクターケースのラインナップのひとつです。
Oリングによる防水性および防塵性、およびオープンセル構造の素材を使った軽量設計かつ耐衝撃性を備えています。
この1400は、スモールケースにカテゴリ分けされていますが、そのカテゴリーでは一番大きなサイズ。
以下カタログサイズです。
項目 | スペック |
---|---|
内寸 | 30.0 x 22.5 x 13.2 cm |
外寸 | 34.0 x 29.5 x 15.2 cm |
重量 | 約2.0 kg(ウレタンフォーム付) |
防水性能 | IP67 (防水性能は7、最大1mの水深で30分間耐える) |
防塵性能 | IP67 (防塵性能は6、砂や塵の侵入を完全に防ぐ) |
耐衝撃性能 | 高強度のポリプロピレン構造 |
温度耐性 | -40℃から99℃まで対応 |
ロック機構 | ダブルスローラッチ |
Pelican 1400の頑丈さと防護性能は、カメラや電子機器を過酷な環境から守ることができるため、アウトドア活動や旅行、撮影現場など、さまざまな場面で使用されています。
様々なサイズがそろっているのもペリカンケースの魅力です。
1400 を実際に測ってみました
カタログにはサイズ表記があるんですが、ペリカンケースのようなハードケースは真四角で作られていることはありません。
ケース内部には凹凸が必ず存在しています。
調べて購入したけど、収納したい機材が入らない!なんてことになったら悲しすぎますので、現物を実測してみようと思います。
カタログ表記 | |
---|---|
内寸 (L×W×D) | 30.0 x 22.5 x 13.2 cm |
外寸 (L×W×D) | 34.0 x 29.5 x 15.2 cm |
深さ合計(蓋裏 + 底部深さ) | 13.2 cm(3 cm + 10.2 cm) |
実際に内部サイズを測っていきます。
測る部分は、機材収納のためのケース内寸。
測りやすいようにウレタンフォームを置いた状態でたてよこを計測していきます。
細かな部分をどこまで測るのか、という問題はありますが、実測値とカタログ値とは、若干差が出てしまいました。
実測値は、内寸 約30.5cm、約23.5cm、深さ合計 約12cm となりました。
Pelican 1400が適している使用場面
Pelican 1400は、その堅牢性とコンパクトなサイズゆえに、様々なシーンで活躍しています。以下は、その代表的な使用例です。
カメラ機材の保護ケースとして
多くのプロやアマチュアカメラマンがPelican 1400をカメラ機材の運搬用ケースとして利用しています。
コンパクトカメラやレンズ、小型のドローンなどを収納し、移動中の振動や衝撃から機材を守るのに最適です。
内部のフォーム材をカスタマイズすることで、機材にぴったりとフィットする収納が可能になります。
- 旅行や出張時のカメラ保護
- 特に飛行機での移動時には、手荷物として機内に持ち込めるサイズであり、強度もあるため、空港での過酷な荷物処理に耐えることができます。
- 防水性能があるため、雨や湿度の高い環境でも安心して使用可能。
アウトドアでの電子機器保護
Pelican 1400は、防水・防塵・耐衝撃機能を備えているため、アウトドア活動やキャンプ、登山でも重宝されています。
GPSデバイスや無線機、ポータブルバッテリーなど、重要な電子機器を水や砂、衝撃から守るために使用されます。
- 水辺での活動に最適
- カヤックやボートに乗る際に、Pelican 1400に機材を収納しておけば、転倒や水しぶきがかかる状況でも安心です。
精密機器の保護
工業や科学研究、医療の現場でも、精密機器を保護するためにPelican 1400が利用されています。
振動や圧力から機器を守ることができるため、移動中に壊れるリスクを最小限に抑えます。
- フィールドワークや調査での使用例
- 特に地質調査や環境モニタリングなど、野外で精密機器を使用する場合に有効です。
Pelican 1400用のアクセサリー
Pelican 1400をさらに便利に使うためのアクセサリーも豊富に用意されています。
これらのアクセサリーを活用することで、機材の保護能力を最大限に引き出すことが可能です。
ペリカンケース 1400 のウレタンフォーム
ペリカンケース 1400は、購入時にウレタンフォームの有無を選択することができます。
1400用のウレタンフォームは3枚組。
裏蓋用の凹凸波型ウレタンフォーム、底部ウレタンフォームとメインのウレタンフォームになります。
このフォームは簡単にカスタマイズでき、機材の形に合わせて切り取ることが可能です。
収納する機材にあわせて切り取ることによって、機材がよりしっかりと固定され、持ち運び中に動くことなく安全に保護されます。
トレックパックディバイダー
ウレタンフォームの代わりに、より柔軟性のあるディバイダーシステムが必要な場合は、トレックパックディバイダーがオプションとして利用可能です。
これにより、仕切りを自由に配置でき、特定の収納ニーズに合わせてケース内部を最適化することができます。
主な特徴
- 調整可能な仕切り
トレックパックシステムは、カスタマイズ可能な仕切り板を組み合わせることで、ユーザーが自由にケースの内部レイアウトを変更できます。これにより、さまざまな機材に対応することが可能です。 - 簡単なセットアップ
キットには、硬質パネルとカッティングツールが含まれており、簡単に組みあわせることができます。必要な長さにカットし、付属のピンで仕切りを固定するだけで、レイアウトすることができます。 - 軽量かつ高耐久性
トレックパックシステムはウレタンフォームと同様に軽量で、しかも高い耐久性を持っています。硬質パネルが使用されているため、繰り返しの使用でもへたることがなく、長期間使用可能です。 - スペースを最大限活用
ウレタンフォームよりも細かな空間作りが可能になるので、ケース内のスペースを最大限に活用できます。これにより、より多くの機材を収納でき、しっかりと保護しながらも無駄なく整理ができます。 - 硬質パネルを追加可能
一度仕切り板を切ってしまったあとや構成を変更したいと思った場合でも。硬質パネル単体だけで手に入れることができます。長い期間ペリカンケースを使用される予定でも安心です。
TrekPakディバイダーキットの使用シーンとメリット
Pelican 1400にTrekPakディバイダーキットを導入することで、特に以下のようなシーンで活躍します。
カメラ機材の整理と保護
カメラやレンズ、アクセサリーを多く持ち歩くカメラマンにとって、機材を効率的に収納し、取り出しやすくすることが重要です。TrekPakの仕切りシステムを使用することで、カメラやレンズ、バッテリーなどを個別に保護しながら整理できます。
- 迅速なアクセス:カスタマイズした仕切りのおかげで、必要な機材をすぐに取り出せるため、撮影現場での作業がスムーズに進行します。
- 柔軟なレイアウト:機材に応じてレイアウトを自由に変更できるので、状況や機材の種類に合わせて収納方法を調整できます。
電子機器やドローンの安全な持ち運び
ドローンやその周辺機器(コントローラー、バッテリー、ケーブルなど)もTrekPakで整理可能です。薄い仕切りを使用することで、スペースを効率よく活用でき、機材の安全性を確保しながら持ち運びができます。
- スペース効率が向上:通常のフォーム材よりも仕切りが薄いため、ケース内のスペースを最大限に活かせます。特に小型ドローンやアクセサリー類を複数収納する場合に便利です。
パネルフレームキット 1400PF
Pelicanケースは、その高い防護性能に加えて、多彩なアクセサリーでユーザーの利便性を向上させることができます。
特に技術者や業務用での使用に適した、パネルフレームキット1400PFも追加できるアクセサリーとして紹介します。
Pelican 1400PFは、Pelican 1400ケースに適用できるパネルフレームキットで、ケース内部に電子機器やカスタムパネルを安全に取り付けたい場合に便利です。
このアクセサリーは、特に技術者やフィールドエンジニアが使用するデバイスや機器を管理・操作する際に役立ちます。
主な特徴
- カスタムパネルの固定:電子機器や制御パネル、ディスプレイなどをPelican 1400 の内部にしっかりと固定することができます。これにより、ケースを開けた状態で直接機器を操作したり、配線や接続を管理することが可能です。
- 軽量で耐久性のある構造:プラスチック製のフレームが使われており、軽量かつ耐久性があります。ケースの重量にあまり影響を与えずに機材の保護とアクセスを提供します。
- 簡単な取り付け:取り付けが簡単で、必要なカスタム機器を取り付ける際に迅速に設置できます。また、再調整や取り外しも容易です。
使用シーンとメリット
このパネルフレームキットは、特に以下のような使用シーンで効果を発揮します。
フィールドエンジニアのツールキット
フィールドエンジニアは、現場で複雑な機器やシステムを操作する必要があります。Pelican 1400にパネルフレームを取り付けることで、現場で使用するための電子機器や操作パネルを一つのケースにまとめて持ち運ぶことが可能になります。
業務用デバイスの保護と操作
業務用の精密機器を移動させる際に、ただの収納ケースとしてだけでなく、ケースを開けた状態でデバイスを直接操作できる点が、このパネルフレームキットの大きな利点です。内部にカスタムパネルを固定しておくことで、出先でも簡単に作業を進められます。
フィールド調査での電子機器の管理
環境調査や工業用のフィールドワークにおいて、複数のセンサーや測定機器を1つのケース内に組み込むことが可能です。Pelican 1400の頑丈な外装によって衝撃や環境要因から機器を守りつつ、内部で直接操作が行えます。
Pelican 1400と他のケースとの比較
ペリカンケース 1400は多くの同様の製品と比較しても、その性能や信頼性が際立っています。
以下の表は、Pelican 1400と他の人気のあるハードケースを比較したものです。
製品名 | Pelican 1400 | Nanuk 910 | SKB iSeries 3i-1209-4 |
---|---|---|---|
内寸 | 30.0 x 22.5 x 13.2 cm | 33.6 x 23.4 x 10.4 cm | 30.4 × 22.8 × 11.4 cm |
外寸 | 34.0 x 29.5 x 15.2 cm | 36.3 x 28.2 x 12.0 mm | 33.4 × 28.9 × 14.0 cm |
重量(ケースのみ) | 1.8 kg | 1.4 kg | 1.63 kg |
防水・防塵 | IP67 | IP67 | MIL-STD 810H |
耐衝撃性 | 高強度ポリプロピレン | 軽量 NK-7 レジン | 超高強度ポリプロピレン共重合体樹脂 |
温度耐性 | -40℃〜99℃ | -29℃〜60℃ | -56℃〜82℃ |
Pelican 1400は、他のケースに比べてやや重いものの、極限の温度条件でも使用可能であり、防護性能の高さが際立っています。特にアウトドアや過酷な環境での使用が多いユーザーにとっては、信頼できる選択肢です。
ユーザーレビュー
Pelican 1400は、長年にわたり多くのユーザーから高評価を受けています。以下に、いくつかの代表的なレビューを紹介します。
- プロのカメラマン:「Pelican 1400は、必要最小限のカメラとレンズの持ち運びに使っています。雨や雪の中でも安心して移動でき、撮影のたびに重宝しています。」
- アウトドア愛好者:「海辺でのアクティビティ際、Pelican 1400を使用しました。海水に浸かる場面もありましたが、中の電子機器類は無事でした。」
- 医療関係者:「フィールドでの医療機器の運搬にPelican 1400を使用しています。非常に堅牢なので安心です。」
まとめ
Pelican 1400は、その優れた耐久性、防水・防塵性能、カスタマイズ可能な内部構造により、カメラや精密機器を安全に保護するための最適な選択肢です。
特に、アウトドアや過酷な環境下での使用が多い方には、非常に頼もしい相棒となるでしょう。
アクセサリーの追加でさらに使いやすくできる点も魅力です。
ペリカンケース 1400 は、小物を収納するには少し大きめで、カメラ機材やレンズなどを収納するには、少し小さめです。
ちょうど中間を満たすケースになりますので、ジャストサイズに近いケースをお探しの方には、とてもありがたいラインナップのひとつです。
ご参考にされてください
カメラ機材専門ショップ
ズームフィックス
コメント