機材用のハードケースといったら、ペリカンケースが有名。
でも、ポータブレイスでもハードケースがラインナップされています。
その違いはどのあたりにあるのか?
他のケースも取り上げながら解説していきます。
目次
- ペリカンケースは、樹脂製ハードケースの代名詞的存在。
- ポータブレイスのハードケースとの違いは?
- ペリカンストームケース、Airなどもあわせて比較します。
- ペリカンケースとは?
- ポータブレイス ハードケースとの違いは?
- ペリカンストームケースとは?
- ペリカンケース Airとは?
- まとめ
樹脂製のハードケースの中で一番名の通っているペリカンケース。
テレビドラマなどを見ていると、たまに見かけたりするくらい有名です。
ただ、どちらかというと、表舞台に立つような商品というよりも裏方を支えるようなもの。
機能性が重要視される中で、ペリカンケースの特徴とはいったいどんなところにあるんでしょう。
ペリカンケースの特徴に触れていきながら、他のハードケースとの違いを見ていきたいと思います。
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ペリカンケースとは
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ペリカン社は、ダイビング用フロート製造から始まった会社で、その後ハードケースなどにビジネスを広げて現在に至っています。
ペリカンケースは、驚異的な強度と防水性で、精密機械、コンピュータ類、カメラ機材、その他の貴重品を水やほこり、衝撃から守ることのできるハードケースです。
豊富なサイズと、堅牢で高い安全性により世界中のあらゆる分野からの高い支持を得ています。
高い堅牢性は、製造工程とデザインにあります。
外部からの衝撃に耐えられるよう、「コポリマーポリプロピレン」という、いわゆるPP素材の一種で作られているということが理由のひとつです。
ただ、普通のPP素材とは違い、小さな空洞がいくつも作られるよう改良されたものになります。
そこが衝撃を受けとめるので、より安全に持ち運べる、ということになっているわけです。
また、この空洞があるおかげでケースが軽くなるという、結果ももたらしています。
高い防水性は、上蓋と下蓋のかみ合わせのところにネオプレーン製のOリングをかませることで、維持しています。
【ペリカンケース Oリング】
すき間ができないように、ピタッと密着するわけです。
いわゆるパッキンです。
ケースが精密に作られているというよりもパッキン効果による防水性、ということになりますので、ある程度年季の入ったペリカンケースでも、Oリングさえ交換すれば高い防水性は維持できるということになります。
なので、ペリカンケースは中古でも人気があるのです。
ただ、ケース自体にゆがみなどがあるようでしたら本体ごと買い直してくださいね!
そのほかにも、ケース本体部分には水の分子は通さずに空気だけを通す丸い『バルブ』が付いており、ケース内部と外部との圧力差を自動的に調整します。
【ペリカンケースのバルブ】
わかりやすい例を挙げると、気圧の変わりやすい飛行機の中などでもケースの開閉はスムーズにいく、ということになります。
水を通さず、空気だけを通すという、素晴らしい素材のおかげで、ケース内外に気圧差ができないようになっています。
しかも、自動的に!
大きな特徴を3つあげましたが、これだけでもペリカンケースのスゴサがわかるんじゃないでしょうか。
【ペリカンケースのラッチ部分】
適応温度 -40 ~ 99 ℃
防塵・防水性能テスト IP67
振動・温度・衝撃テスト STANAG 4280/Def Stan 81-41
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ポータブレイス ハードケースとの違いは?
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当店では、ポータブレイス製品を取り扱っておりまして、その中にハードケースもございます。
ペリカンケースの良さはわかりましたが、では、ポータブレイスのハードケースとの違いは、どのようなところにあるのでしょうか?
ポータブレイスのハードケースは実は、ポータブレイスのオリジナルではございません。
HPRCという、イタリアのメーカーの商品をブランド替えした、いわゆるOEM商品になります。
ペリカンケースと同じく、堅牢性・防水性・軽量素材など多くの点で似通ったものだということがわかります。
ハンドルもバルブもウレタンフォームの形式などもほとんど同じような展開です。
ひとつ大きな違いをあげるとするとラッチの形状ですね。
【ポータブレイス ハードケースのラッチ部分】
ラッチとは、ケースがあかないようにするための部材のことです。
ペリカンケースは、ケース上蓋からガッシャン、と上から下に締める、1段階型。
ダブルスローラッチ、という呼ばれ方をします。
ポータブレイスのラッチは、先に相手側にカギ状部分をひっかけてグイっと引き寄せる、2段階型になっています。
好みや製品の個体差などがありますが、締めやすさで言うと、ポータブレイスのほうが力がいらない印象が強いです。
逆に言うと、ペリカンケースのほうは固いけどがっちり締まる印象があります。
また、ポータブレイスのハードケースは青一色というところも、好みがわかれるところです。
適応温度 -40 ~ 80 ℃
防塵・防水性能テスト IP67
振動・温度・衝撃テスト STANAG 4280/Def Stan 81-41
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ペリカンストームケースとは?
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ペリカンケースの中には、ペリカンストームケースというものもあります。
ペリカンケースブランドのひとつで2009年にライバル会社ハーディッグを買収したことにより獲得したラインナップです。
ペリカンケースブランドと同様、気密性・防水性に優れたケースですがこちらもラッチの形状に大きな違いがあります。
【ペリカンストームケースのラッチ部分】
ストームケースは、プッシュボタン式を採用しております。
ラッチの真ん中にあるボタンを押すとロック解除になり、ラッチの開閉自体は非常に簡単です。
あまり力がいりません。
ペリカンケースのラッチの固さに不満がある方は、ストームケースも検討されてみてください。
適応温度 -29 ~ 60 ℃
環境耐性テスト MIL-STD-810F
梱包能力テスト FED-STD-101C
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ペリカンケース Airとは?
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ペリカンケース Air は、従来製品よりも最大40%軽量化したペリカンケースの新シリーズです。
40年以上にわたり、ハードケース業界を引っ張ってきたペリカン社が、画期的な革新を行い新たな保護ケースを設計・制作しました。
実際、Airシリーズを手にしてみると、かなり軽くなったのを感じることができますし、持ち運びの負担は間違いなく軽減されると思います。
あとはこの軽さが、ともすると、商品に対する信頼性の低下をもたらしてしまうんじゃないかという、不安も出てくるくらい、軽いですね。
ラッチの形状は、通常ペリカンケースと同じケース上蓋からガッシャン、と上から下に締める、ダブルスローラッチです。
【ペリカンケースAirのラッチ部分】
適応温度 -51 ~ 71 ℃
製品が出て日が浅いためか、
証明書などまだないようです。
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まとめ
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ペリカンケースの特徴とそれと似かよったハードケースでしたが、どれも堅牢性、防水性など、同じようなセールスポイントを打ち出しています。
色やサイズ、在庫の豊富さ、取扱店の多さなどはやはり、ペリカンケースが群を抜いています。
ご自身の好み、必要な大きさといつまでに欲しいか、などを基準に選んでみてはいかがでしょうか?
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