当店では、ベルレバッハ社の木製三脚を取り扱っています。
これまでにも、商品について関連記事をいくつかアップしました。
ただ、そもそも木製三脚にはあまりなじみがない、という方が大半ではないでしょうか。
(たまに、工事現場などで、使われているのを見たことがある、という方もいらっしゃるかと思います。)
今回は、一般的なアルミ製やカーボン製などの三脚と比較することで、木製三脚を使うメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
三脚の役割と素材
まずは、三脚とは、ですね。
三脚とは、機材をしっかりと固定する役割をする三本足の台こと。
カメラや天体望遠鏡などをぶれないようにして、撮影・観測を行うためのものです。
しっかり固定できる、という役割を果たすのであれば、三脚の役割としてはOKです。
三脚の素材によって、価格や重さ、特徴などが異なるので、目的に合ったものを選ぶことが大切になってきます。

アルミ、カーボン製三脚と木製三脚の違い
一般的な三脚の素材は、アルミとカーボンになります。
アルミ製の三脚は、価格が安価で手軽に使えるというメリットがあります。
がっしりとして頑丈、キズにも強く、まず1本持つという方にはオススメです。
カーボン製の三脚は、アルミ製のものと比べると、少し割高になりますが、軽くて振動吸収性に優れている、という特徴があります。
山登りやロケーション撮影などで頻繁に持ち運ぶ予定の方は、カーボン製の三脚(トラベラー三脚など)のほうが、より便利なのではないでしょうか。
では、木製三脚は、それらアルミ三脚やカーボン三脚と比べて、どういう特徴があるのでしょうか。
一般的にみると、同程度サイズの三脚では、アルミ三脚・カーボン三脚よりも、割高で重いものがほとんどです。
しかも、キズや外部からの衝撃にも強くありません。
では、木製三脚の良さはどのようなところにあるんでしょう。
振動減衰性の高さと安定性にあると言われています。
特に、ベルレバッハの木製三脚は、振動減衰、安定性、堅牢性に優れているアッシュウッド(トネリコ)が使われています。
「頑丈でしっかりした木製三脚」と言われている理由はここにあります。
そのほか、木製三脚を選ばれる理由として挙げられるのが、外気温からの影響を受けにくいことです。
アルミ製三脚は、夏は熱くなりやすく、冬はかなり冷たくなります。
カーボン製三脚は、アルミ製よりもまだいいのですが、木製三脚はそれ以上に影響受けることが少ないです。
気象条件が厳しいところでの撮影には、木製三脚が向いています。
また、木のぬくもりが感じられる優しいデザイン、というところも選ばれているポイントになります。
ベルレバッハでは、アッシュウッドのきれいな木目とやわらかい色を活かしたナチュラルを基本に、こげ茶色のNWブラウン、シルバー系のTIグレー、深い緑のグリーン、漆黒のPFブラック、迷彩のカモフラージュと、6色展開されています。(商品によって違いあり)
ナチュラルは明るいトーンですが、そのほかは落ち着いた色味になっています。

一番人気のカラーは、ナチュラル。
ナチュラル以外は追加料金がかかりますので、そういったところも理由のひとつかもしれません。
ベルレバッハ 木製三脚のメンテナンス方法
木製三脚を使う場合、心配になるのが屋外での使用です。
特に、雨天時での使用ができるのか不安になりますよね。
ベルレバッハの木製三脚の場合、雨天時での使用もできます。
ただし、使用後のメンテナンスが必要になります。
雨に濡れた場合は、乾かす方法に注意してください。
- 雨天時の作業終了後、乾いたタオル等で水分をふき取ります
- 室温で丸一日、自然乾燥させる
基本的にはこの方法で乾かします。
やってはいけないのは、ドライヤーやストーブなどを直接当てて乾かすことです。

偏って乾燥してしまう可能性があります。
自然にゆっくりと均一に乾かしていくことが大事です。
また、湿度の低いところで長時間使用する(保管する)場合も注意が必要です。
脚の乾燥が進んでしまうことがあります。
固定ネジの調節などで、ひずみやそりが出ないように気を付けてください。
木は通気性のある素材です。
収納時も通気性のある素材でできたケースなどにいれていただくのがよいかと思います。
(Berlebachの、綿布製の三脚ケースもあります。)


木製三脚のメリットは、振動減衰、安定性、デザイン。
逆にデメリットは、価格、自重、メンテナンス。
安定性と自重は、裏表の関係とも言えますね。
木製三脚がオススメなのはどんな人?
アルミ製やカーボン製三脚と比べて、重くて割高でメンテナンスも必要な木製三脚ですが、どんなかたにとってオススメできるんでしょうか。
やっぱり、自然を相手に撮影・観測されている方々です。
風景撮影や野鳥撮影、天体観測など。
自然と木製三脚の相性は言うまでもありません。
8×10などの大判カメラ、超望遠レンズで追いかける野鳥撮影、フィールドスコープや天体望遠鏡など。
安定性はいいですし、厳しい条件下でも問題ありませんので、いいんじゃないでしょうか。
あとは、木製三脚のメリットを感じ、デメリットを許容できる方。
振動減衰・安定性・デザイン性に魅力を感じ、重い・割高・メンテナンス性も受け入れられる方です。
逆にオススメできない方は、コスパ重視の方。
安くて使える三脚を欲しい方は、わざわざ木製三脚にすることはありません。
そのほか、コンパクト性を求められている方や、ハードな使い方をする予定で探されている方なども、木製三脚は目的・用途に合いませんね。

一般的な使用を目的で三脚をお探しの方には、アルミ製やカーボン製のほうが無難です。
私も、木製三脚とアルミ製三脚を、目的によって使い分けています。
まとめ
木製三脚は、良くも悪くも、使う人を選ぶ三脚です。
振動減衰性、安定性、デザイン性などが魅力ですが、アルミ製・カーボン製三脚と比べると、高価、重い、メンテナンスが必要など、考慮するべきポイントもあります。
普段使い用の三脚を探されている方にとっては、アルミ製・カーボン製の三脚のほうが、種類が豊富で選択肢が広がりますので、最終的に満足度が高くなるかと思います。
そういうのをご理解いただいた上でなお木製三脚を検討されるようでしたら、ぜひご相談ください。
できる限りのサポートをさせていただきますよ。
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