当店で取り扱っているベルレバッハ。
120年以上木製三脚を作り続けているドイツのメーカーです。
アルミやカーボンなどの金属製三脚が主流の中、木材の持つ特性を活かし特徴のある製品を生み出し続けいています。
軽さ・便利さよりも、木材の持つあたたかみや振動吸収性などに価値を感じる方におすすめ。
今回は、ベルレバッハの成り立ちや製品に込めた思いなどを紹介していけたら、と思います。
ベルレバッハとは
ベルルバッハは、高品質の三脚と三脚用アクセサリーを製造するドイツのメーカーです。
1898年の創業以来、写真、天文、測量、アウトドアなど幅広い用途に対応する木製三脚や金属製三脚を製造しています。
ベルルバッハは、品質とクラフトマンシップ(職人の技)へのこだわりで知られています。
最高級の素材と製造方法のみを用いて、ドイツで設計・製造されています。
アッシュ材を使用し、安定性、耐久性、振動減衰性を追求するために慎重に選別、処理されたものです。
ベルルバッハは、木製三脚のほか、金属製三脚や三脚用アクセサリーも製造しています。
同社の金属製三脚アクセサリーは、高品質のアルミニウムとカーボンファイバーから作られており、軽量で持ち運びやすく、頑丈な設計になっています。
三脚アクセサリーには、レベリングベース、スプレッダーシステム、マウントヘッドなどがあり、三脚の安定性、汎用性、機能性を高めるように設計されています。
ベルルバッハは、写真と天文の分野で高い評価を得ており、その製品はプロフェッショナルからアマチュアまで幅広く使用されています。
安定性、振動減衰性、精度に定評があり、天体写真や長時間露光撮影などの要求の厳しい用途に最適です。
品質と職人技へのこだわりだけでなく、ベルレバッハはサステナビリティ(持続可能性)と環境に対する責任にも取り組んでいます。
製品には、生産が持続可能な木材のみを使用し、生産工程では廃棄物を最小限に抑え、二酸化炭素排出量を削減するように取り組んでいます。
そのほか、顧客満足度にも強いこだわりを持ち、高品質の三脚および三脚アクセサリーのメーカーとして信頼と高い評価を得ている理由です。
プロフェッショナルと愛好家の両方のニーズを満たすように設計されており、同社の長年にわたる優れた伝統の証となっています。
木製三脚のシリーズ
写真用の「リポート」「UNI」シリーズ、天文用の「プラネット」「アストロ」シリーズなど、総合的な製品ラインアップを取り揃えています。
それぞれのシリーズには、ターゲットとするユーザーの具体的なニーズに対応した、独自の特長やメリットがあります。
リポートシリーズは、旅行やアウトドアで軽量コンパクトな三脚を必要とするフォトグラファー向けに設計されています。
一方、UNIシリーズは、スタジオやフィールドで使用する堅牢な三脚を求めるプロフォトグラファー向けです。
アストロシリーズは、天体望遠鏡の重量や動きに耐える三脚で、特に天文学者のために設計されています。
プラネットシリーズはバードウォッチングや自然観察に最適で、三脚に装着して機能性を高めることができるアクセサリーが充実しています。
ベルルバッハは、1世紀以上にわたる経験とクラフトマンシップに裏打ちされた、さまざまな用途に使える高品質の木製三脚を幅広く提供しています。
その品質へのこだわりは、世界中の写真家、天文学者などから多数の信頼を得ているブランドです。
おおまかな会社の歴史
120年を超える歴史を持つベルレバッハですが、これまでに数々の試練を乗り越えてきています。
東ドイツで誕生後、第一次、第二次世界大戦を経験し、東西ドイツの統合、これまで経験のなかった資本主義社会の中での会社存続の危機などを経て、今に至ります。
その歴史を簡単にまとめておきます。
1898年10月
ベルレバッハ社は、芸術の都、ドレスデン近郊のザクセン州ムルダで、実業家ペーター・オットー・ベルレバッハによって創業。
最初は水車で動くミルから始まり、コピーフレーム、乾燥台、三脚などを製造。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、写真業界が急速に拡大していき、それに伴い、急速に進化する需要を敏感に察知したオットー・ベルレバッハは、国際的な市場にも供給していくようになりました。
その後に起きた第一次世界大戦(1914年〜1918年)により、従業員が激減する中でも製造と輸出は維持していきました。
1918年
オットー・ベルレバッハが会社を売却。
その後、新しいオーナーとなった、ビスカボルン、ディトマール、ハイジンガーが3人が、大口顧客の獲得と金属・木材加工を発展させ会社を継続させる。
その後に起きた第二次世界大戦中も、写真用特殊機材の生産は衰えることなく続けていきました。
1938年
本物のマホガニー材を使用したトラベルカメラの製造を開始。
印画紙の収納ボックスとキャビネット、映写機用特殊三脚、各種サイズの映写台、金属製トリミング機、パン/チルトヘッド、ボールジョイントの製造を開始。
1950年
三脚(トラベル三脚、スタジオ三脚)、2ウェイおよび3ウェイパン雲台の製造に特化。
スライド用収納容器の製造 東欧諸国への供給と、ドイツ連邦共和国、イギリス、オランダなど西側資本主義諸国への輸出を開始。
1972年
ドイツ民主共和国(GDR)州政府の決議により、会社が強制的に国有化(VEB 東ドイツの公営企業)
東欧圏全域の三脚や写真用アクセサリーのニーズをカバーする任務が与えられる。
計画経済のもとで規制が強化され、企業業績は大幅に停滞。
1989/90
平和的革命が起き、ドイツ民主共和国(東ドイツ)のドイツ連邦共和国(西ドイツ)へ加盟。
1990年7月1日
100%出資のGmbH(ドイツ版有限会社)へ組織変更。
東欧諸国への輸出はすべてなくなり、新たな流通経路が模索され、その後、3年間は開発の停滞が続きました。
1993年
1962年から勤務していた当時の技術部長ウォルフガング・フライシャーが民営化。
「Treuhandanstalt(VEBを民営化する東ドイツ設立の機関)」から土地と建物、生産設備、「Berlebach」の名称を買い取ったことで、新生ベルレバッハ社となり新たな出発となりました。
7人の従業員とともに、アッシュ材を用いた木製三脚の生産を継続。
2002年
天文分野の木製三脚を開発、製造開始。
2006年
木材とカーボンの複合三脚を開発、製造開始。
2013年
モジュラーシステムというコンセプトの三脚シリーズ「リポート」を全面的に見直し、14のモジュールでカスタムできるように改変。
撮影アクセサリー分野においても、ベルレバッハの技術は常に革新的で、パノラマ撮影用の折りたたみ式アングル「MR 190」や特許取得のカメラホールディングシステム「スピーディ」など、個性的な商品も開発しています。
ベルルバッハは今日、一部の写真家にとって有名なだけでなく、EMCや天文技術におけるグローバル企業の信頼できるパートナーとして、幅広い分野で高い評価を受けています。
カメラ機材専門ショップ
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