映画・ドキュメンタリー撮影でのブームポールの使い方

音響機材・録音機材

はじめに:ブームポールとは何か?

映像制作における音声は、作品のクオリティを左右する重要な要素です。中でも、被写体の声や環境音を自然な形で収録できるのが「ブームポール」です。

ブームポールは、マイクを先端に取り付け、カメラ画角外から被写体に近づけて収音するための棒状の機材。プロの現場では、“音のカメラ”として扱われることもあります。


映画・ドキュメンタリーにおけるブームポールの重要性

ブームポールはラベリアマイクでは収録しにくい自然な声や空間音を収めるために使われます。

  • 臨場感のある“生の音” を録音可能
  • 空気感を含めた環境音 を演出に活かせる
  • 映像の演技と音の演技を一致 させるためのツール

ブームポールの基本的な構え方・動かし方

ブームポール操作の基本は、安定性と柔軟性の両立です。

■ 基本の構え方(オーバーヘッドスタイル)

  • 肘を軽く曲げて肩幅で立つ
  • ポールの末端と中ほどを握ってバランスを取る

■ マイクの向け方と距離

  • 被写体の口元へ向け、角度は約45度が理想
  • 動きがある場合はマイクも追従する

■ 長時間収録対策

  • 軽量カーボン素材の使用
  • カウンターウェイトやショルダーハーネスの併用

シチュエーション別運用テクニック

室内インタビュー

  • 壁の反響を避け、マイクは斜め上から
  • 毛布や吸音パネルを用意するとベター

屋外ロケ

  • ウィンドジャマー(風防)で風切り音を防ぐ
  • 指向性を活かしてノイズ源に背を向ける

動きのあるシーン

  • カメラと同じ動線で移動
  • ブームパン(マイクの振り)で音を追従

複数人の会話

  • スイング操作で話者ごとにマイクを向ける
  • 同時発話にはミキサーやダブルブームも有効

おすすめのブームポールとアクセサリー

VDB(フランス)

  • 軽量カーボン設計。QT-M, QT-Lなど

K-Tek(米国)

  • Avalon(コスパ)、Graphite(プロ用)

Ambient(ドイツ)

  • 堅牢で信頼性高いQuickPoleシリーズ

Cavision(カナダ)

  • 初心者〜セミプロ向けの「SGPシリーズ」が中心

便利アクセサリー

  • Rycote等のショックマウント
  • デッドキャット型ウィンドジャマー
  • カウンターウェイト/スタンド

よくあるトラブルと対処法

トラブル内容主な原因対処法
ケーブルノイズ擦れ・たるみマジックテープ等で固定
映り込み広角画角・低位置安全ラインを事前に確認
手ブレ・振動握りすぎ・緩みショックマウント使用、軽く持つ
録音レベルのばらつきマイクのズレ指向性理解と正確な位置取り

現場でのプロの運用事例

  • ドキュメンタリー:沈黙や息遣いも音素材
  • 映画撮影:演者の感情と合わせてマイク距離を調整
  • 海外取材:無言のサインや表情でタイミングを読む
  • 低予算制作:三脚や固定設置で効率的に対応

まとめ:音は演出の一部

ブームポールは、記録装置ではなく“演出装置”です。音が映像に命を与えるその瞬間を支える、極めて重要な道具であることを忘れないでください。


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