ブームポールの正しい持ち方とは?長時間使用でも疲れにくいプロのテクニック

音響機材・録音機材

映像制作やロケ撮影の現場で活躍する音声スタッフにとって、ブームポールは欠かせない道具のひとつです。しかし、長時間の使用は腕・肩・腰に大きな負担がかかり、慣れていない人にとっては想像以上にハードな作業になります。この記事では、VDB・Ambient・Cavision・K-Tekといった代表的なメーカーの製品の特徴を踏まえつつ、疲労を軽減するための持ち方とテクニックについて図解風の表現も交えながら、わかりやすく解説します。


1. ブームポール操作でなぜ疲れるのか?

ブームポールの操作は単純に見えて、実際には以下のような要因で身体に負担がかかります:

  • 長時間の固定姿勢で肩や腕が緊張
  • 重量バランスが前方に偏る(マイクが重い)
  • 不安定な足場で姿勢を保つ必要がある

その結果、10分程度の撮影でも腕がパンパンになることがあります。


2. 疲れを軽減する3つの基本ポイント

【ポイント1】肩と腕をリラックスさせる

  • 肩をすくめず、自然に下げる
  • 背筋を伸ばし、胸を開くことで重心が安定

※ 弓を引くような「体幹で支える構え」が理想的です

【ポイント2】両手の位置を適切に

【持ち方イメージ図(テキスト)】

(マイク)→●──────●←(後方)
    前方の手   後方の手(腰のあたり)
  • 前方の手:バランス重視(ポールの中間より少し前)
  • 後方の手:操作と支え(腰の近くで固定)

【ポイント3】小さな動きで調整する

  • 肩・手首・肘を使った“てこの原理”で微調整
  • ポール全体を大きく振らない

3. メーカー別:特徴とおすすめポイント比較

メーカー特徴重量感向いている人
VDB世界初のカーボン製。軽量かつ高耐久とても軽い長時間使用したい方
Ambientプロ仕様。剛性と軽さのバランス良好軽い安定感を求める現場向け
Cavisionアルミ製で価格が安いやや重い初心者・予備用途
K-Tekアクセサリーが豊富。拡張性高い軽量〜中程度カスタム重視の中〜上級者

4. 疲れを抑えるための応用テクニック

◎ カウンターウェイトを活用する

[手]──●──────────(マイク)
   ↑
  後端に重りを付けてバランスを取る

K-Tekの「Hodges Counterweight」などは、手前側に重みを加えることで、全体のバランスを取りやすくし、肩や腕への負担を軽減できます。

◎ サポートベルトやハーネスの活用

  • 体幹で支えるベルト装着で、腕の疲労を分散
  • 動きが少ないロングショット時に特に効果的

◎ 握りやすくする工夫(グローブ・クッション)

  • クッションパッチや滑り止めグローブで握りやすく
  • 汗や摩擦で手が疲れるのを防げます

5. 実践例で学ぶ:疲れにくい構え方

【横持ち】

両手を肩幅+10cmほどに広げて持つ
背筋を伸ばし、肩はリラックス
マイクは頭上1mを保つイメージ

→ 基本の持ち方。屋外・人物追従に最適

【縦持ち】

ポールを垂直気味に持ち、肘を軽く曲げる
天井から俯瞰的に収音したい場面で有効

→ 室内撮影や狭い現場で重宝されます

【片手持ち・リレー式】

片手でポールを持ち替えながら、こまめに休憩
腕や肩を交互に休ませる工夫

→ ドキュメンタリーや長回しの現場で有効


6. まとめ:疲れない=技術×道具×意識

ブームポールの疲労対策は「正しい持ち方」+「道具選び」+「意識的な休憩」で大きく改善できます。

  • 軽量ポールを選ぶ(VDB・Ambient)
  • バランス調整アイテムを導入(K-Tek)
  • 現場に応じた構え方を使い分ける

日々の練習と工夫で、疲れ知らずの収録スタイルを手に入れましょう!

この記事が、あなたのブームポール選びや撮影時の姿勢改善に役立てば幸いです。

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