カメラや電子機器、貴重品などを安全に持ち運ぶために最適なハードケースが「ペリカンケース」です。
多くのプロカメラマンやアウトドア愛好者が愛用しているこのケースは、優れた耐久性と防水性能を備えています。
ここでは、ペリカンケースの特徴や用途、サイズ、バリエーション、素材や耐久性について詳しく解説します。
さらに、他社製品との比較やユーザーレビューも交えながら、その魅力に迫ります。
ペリカンケースとは?
ペリカンケースの歴史とブランド
ペリカンケースは、アメリカのPelican Products社が製造する頑丈な防水・防塵ハードケースです。
同社は1976年に創業し、当初はダイバー向けの防水ライトを製造していましたが、現在では防水ケース、ライト、クーラーボックスなど多岐にわたる製品を展開しています。
その中でも、ペリカンケースは世界中で最も信頼性が高く、多目的に使用できるケースとして広く認知されています。
ペリカンケースの特徴
ペリカンケースは、以下のような特徴を持っています:
- 耐衝撃性:強化プラスチック素材を使用し、高い耐衝撃性を実現しています。落下や衝撃から機材をしっかり保護します。
- 防水・防塵性:IP67規格の防水・防塵性能を備え、水やほこりから内部をしっかりと守ります。
- 気圧調整バルブ:自動気圧調整バルブを搭載しており、飛行機の機内など気圧の変化が激しい環境でもケースの開閉がスムーズです。
- 豊富なサイズとバリエーション:様々なサイズと形状があり、用途に合わせて選べます。
- 頑丈なハンドルとホイール:持ち運びに便利なハンドルとホイールが付いているモデルもあります。
ペリカンケースの用途
カメラ機材の保護
ペリカンケースはカメラ機材の保護ケースとして最も一般的に使用されています。
プロのカメラマンがロケ撮影やアウトドア撮影で愛用しているのはもちろん、個人ユーザーでも大切なカメラやレンズを守るために利用されています。
カスタマイズ可能なフォームインサートにより、カメラやレンズ、アクセサリーをしっかりと固定できます。
ドローンの保管と持ち運び
ドローンの保管や持ち運びにもペリカンケースは最適です。
多くのドローン愛好者やプロの映像クリエイターが、精密なドローンを衝撃や水分から守るためにペリカンケースを使用しています。
アウトドア・キャンプ用品
アウトドアやキャンプで使うギアや食品、医療用品を収納するのにも適しています。
ペリカンケースの耐久性と防水性は、雨や雪、泥などの環境から中身を守るのに最適です。
専門機材の輸送
医療機器、計測機器、電子機器などの専門機材を輸送する際にもペリカンケースは活躍します。
特に、ケース内部のフォームをカスタマイズして形状に合わせて保護できる点が評価されています。
サイズとバリエーション
ペリカンケースは非常に多くのサイズとバリエーションが提供されています。
以下の表は、代表的なモデルのサイズと特徴をまとめたものです。
モデル名 | 外寸 (cm) | 内寸 (cm) | 重量 (kg) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Pelican 1510 | 55.9 x 35.1 x 22.9 | 50.2 x 27.9 x 19.3 | 5.4 (ケースのみ) | 機内持ち込み可能、ホイール付き |
Pelican 1200 | 27.1 x 24.8 x 12.3 | 23.6 x 18.1 x 10.5 | 1.2 (ケースのみ) | 小型機器の収納に最適 |
Pelican 1650 | 80.2 x 52.0 x 31.6 | 72.6 x 44.5 x 27.1 | 10.9 (ケースのみ) | 大型機材の輸送に適した大容量 |
Pelican Air 1535 | 55.8 x 35.5 x 22.8 | 51.8 x 28.4 x 18.3 | 3.9 (ケースのみ) | 軽量タイプ、機内持ち込み可能 |
Pelican Storm iM2950 | 79.5 x 51.8 x 31.0 | 73.7 x 45.7 x 26.7 | 9.4 (ケースのみ) | 滑らかなホイール、大型機材の輸送に最適 |
ペリカンケースの中でも「Air」シリーズは、従来のケースに比べて40%軽量化されているため、持ち運びに便利です。
また、ホイール付きモデルやロングケースなど、多様な形状があるため、目的に応じた選択が可能です。
素材と耐久性
素材
ペリカンケースの主要な素材は高強度のポリプロピレンです。
これは、耐衝撃性、耐薬品性、耐紫外線性に優れており、厳しい環境下でもケースの変形や劣化を防ぎます。
また、内部には、品番に対応した高密度のウレタンフォーム(フォームインサート)も選択でき、収納物をしっかりと保護します。
耐久性
ペリカンケースは非常に頑丈な構造を持っています。
そのため、車に踏まれても壊れない、飛行機からの落下にも耐えるなど、そのタフさはユーザーから高い評価を受けています。
防水性能はIP67規格を満たしており、30分間水深1メートルに沈めても内部に水が侵入しません。
ペリカンケースと他社製品の比較
ペリカンケースの他にも、同様の用途に使える製品があります。
以下は、代表的な他社製品との比較表です。
項目 | ペリカンケース | Nanukケース | HPRCケース |
---|---|---|---|
防水性能 | IP67規格 | IP67規格 | IP67規格 |
サイズバリエーション | 非常に豊富 | 多様 | 多様 |
価格帯 | やや高め | 中程度 | やや高め |
重量 | やや重い | 軽量 | やや重い |
気圧調整バルブ | あり | あり | あり |
NanukケースやHPRCケースも高い防水・耐衝撃性能を持ちますが、ペリカンケースはブランドとしての信頼性やサイズの豊富さが際立っています。
ユーザーレビューと使用例
ユーザーレビュー
Pelican 1535 Air
- 1535 Airは出張の際に機材を持ち運ぶ際にとても便利です。底部のパッドは十分で、日常的な使用や旅行でも安心して使えます。機内への持ち込みも問題ありませんでした。
- 2台のCanon C300 mkiiとSigma 18-35mm、Canon 24-70mmレンズを収納しています。以前使っていたPelican 1510よりもかなり軽いのでとても満足しています。
- Nikon Z9カメラと400mm F2.8レンズを収納しています。レンズフードを逆さにしても問題なくフィットします。
Pelican 1650
- 大型のハードケースですが、ローラーキャスターが付いているので、平地であれば移動は苦になりません。17インチのノートパソコンも余裕で収納できます。主に出張時での使用で、耐久性が高く信頼できます。
- がっちりして頑丈な作りです。取り扱いが少々粗くても、中の機材はしっかり保護されています。心配であれば、ケース内部で機材がぶつからないように、フォームを厚めに配置すれば安心度は増します。
- 黒いケースは外部が熱を持ちやすいのですが、内部の温度はほとんど変わらないようです。真夏でも収納機材に問題はありませんでした。
Pelican 1615 Air
- 1615 Airケースは十分なスペースがあり、かつ軽量化されているので、大型ケースにもかかわらず非常に扱いやすいです。内部をカスタマイズでき、様々な機材に対応可能です。
これらのレビューからも、ペリカンケースはプロのカメラマンや映像クリエイター、アウトドア愛好者から非常に高い評価を受けていることがおわかりになるかと思います。
耐久性、収納力、内部のカスタマイズ性、またAirケースは軽量化の点で優れており、多くのユーザーに支持されています。
使用例
- カメラマンのロケ撮影:砂漠や山岳地帯、極寒・酷暑などでの撮影時に、ペリカンケースはカメラ機材を安心して運ぶために選択されています。過酷な環境下でも中の機材をしっかりと保護するため、プロのカメラマンにとって信頼度の高いケースの一つとなっています。砂や雨、衝撃に強いことから、アウトドア撮影や自然ドキュメンタリー撮影の際には特に重宝されています。
- ドローン操縦士の現場作業:ドローンの保管と運搬には高い保護性能が求められます。ドローンは高価かつ繊細なパーツが多く含まていますが、ペリカンケースに収納することで輸送中の破損リスクを大幅に低減できます。ドローン本体やプロペラをしっかり固定できるようにフォームインサートをカスタマイズできる点も魅力です。
- アウトドアアドベンチャーやキャンプ:アウトドア愛好者の間では、食料品や電子機器、その他貴重品などを保護するためにペリカンケースが使われることが多いです。山岳や川辺でのキャンプなど、急な天候の変化や水辺での使用が多い場所でも、ペリカンケースなら内部を安全に保てます。
- 医療・測定機器の輸送:医療機器や測定機器などは繊細なものが多いため、輸送中の保護が非常に重要になってきます。ペリカンケースは耐衝撃性と防水性に優れているため、機器の輸送用ケースとしても非常に信頼されています。
ペリカンケースのカスタマイズ性
ペリカンケースのもう一つの魅力は、その高いカスタマイズ性です。
ウレタンフォーム
ペリカンケースには高密度ウレタンフォームが選択でき、収納物に合わせてカットすることで内部にぴったりとフィットさせることが可能です。
カメラ用機材やドローン、計測機器など、用途に合わせて内部をカスタマイズできる点は非常に便利です。
パッド付きディバイダー
ペリカンケースのパッド付きディバイダーは、ケース内部を自由にカスタマイズし、収納する機材やアイテムをしっかりと保護するための仕切りシステムです。
クッション性の高いパッドが、機材同士の衝突や衝撃を吸収し、カメラやレンズ、電子機器などの繊細なアイテムを安全に保管・輸送することが可能です。
TrekPakディバイダー
PelicanケースのTrekPakディバイダーは、機材を効率的かつ安全に収納・整理するために設計された高性能な仕切りシステムです。
このシステムは、薄くて軽量なパネルと独自のロックピン技術を使用し、内部スペースを自由にカスタマイズできるのが特徴です。
価格帯と購入時のポイント
ペリカンケースは、その高い品質と耐久性から他のケースに比べてやや高価ですが、長期間にわたって使用できるため、コストパフォーマンスは非常に高いです。
- 小型モデル(ペリカン 1120〜):1万円前後から購入可能。カメラの小型アクセサリーやGoProなどのアクションカメラの保管に適しています。
- 中型モデル(ペリカン 1400〜):3万円前後から購入可能。標準ズーム付きカメラ一式や小型ドローンなどの収納に最適です。
- 大型モデル(ペリカン 1510〜):5万円以上。プロ仕様の機材や大型ドローン、長物などの収納に適しています。複数の機材を保護・収納・持ち運ぶことができます。ローラーキャスター付きのモデルもあり持ち運びの負担を軽減できます。
購入時には、持ち運ぶ機材のサイズや数量、重量に合わせて最適なモデルを選ぶことが重要です。
また、重量が気になる方は、Airケースシリーズ、かつホイール付きモデルを選ぶと移動が楽になりますのでご検討ください。
ペリカンケースのメリットとデメリット
メリット
- 高い耐久性と防水・防塵性能:ペリカンケースは長年の使用にも耐えられる頑丈さがあります。
- 豊富なサイズとバリエーション:様々な機材に合わせて選べるため、幅広い用途に対応できます。
- カスタマイズ性:内部のフォームインサートを自由にカスタマイズできるので、どんな形状の機材にもフィットします。
- 自動気圧調整バルブ:飛行機内での気圧変化にも対応しているため、輸送の際にストレスなく使用できます。
デメリット
- 重量がある:非常に頑丈な分、ケース自体の重量はやや重めです。頻繁に持ち運びする場合や複数の機材を持ち運ぶ機会が多い方は、軽量の「Air」シリーズを検討するのが良いでしょう。
- 価格が高い:他のケースと比べて価格が高い点が難点ですが、その品質と信頼性を考慮すれば十分購入する価値のある価格とも言えます。
ペリカンケースのメンテナンス方法
ペリカンケースを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが重要です。
- 外部の汚れを拭き取る:使用後は砂やほこりなどを払った後に、湿った布で外部を拭いてください。特にアウトドアで使った場合は早めに汚れを落とすことが大切です。
- 気圧調整バルブの確認:バルブが汚れていると気圧調整が正しく機能しなくなるため、定期的にチェックしましょう。
- フォームインサートの交換:フォームインサートは長期間使用すると劣化するため、必要に応じて交換を検討してください。
- Oリングの交換:Oリングは防水性能を維持するために非常に重要なパーツです。柔軟性が衰えてくる前に早めの交換をおすすめします。
まとめ:ペリカンケースは究極の保護ケース
ペリカンケースは、その耐久性、防水・防塵性能、カスタマイズ性など、多くの点で他社製品を凌駕する素晴らしい製品です。
プロのカメラマンやアウトドア愛好者だけでなく、あらゆる機材や貴重品を保護したい人にとって最適な選択肢となります。
高価ではありますが、その信頼性と長寿命を考えれば、確実に価値ある投資と言えるでしょう。
商品選びの際の参考にされてください。